テクニカルコラム蒸気コイル配管

空調機などに組込まれている蒸気コイル回りの配管は、蒸気の温度が100℃以上と温水温度に対して高く、また返り配管はトラップを介して凝縮水になるなど、温水配管とは異なります。
誤った配管工事を行うと能力不足や冬季の凍結、配管腐食の原因になる恐れがあります。

空調機器の蒸気コイル回り配管の注意事項

空調機用の蒸気コイルの種類

蒸気コイル横型蒸気用コイル 縦型蒸気用コイル
蒸気コイル横型蒸気用コイル縦型蒸気用コイル
蒸気分流を良くし、コイルの各主管への熱応力が最小となるように、ヘッダ内部に特殊ノズルを内蔵しています。配管に充分な順勾配を設けることによりドレンの排水性能を高めています。上部側から蒸気を入れ、下部側にドレンを排水する理想的な構造の蒸気コイル。

蒸気コイルの配管注意事項

1.配管の支持

コイルへの配管は、すべてコイルとは別個に支持し、配管の伸縮に対しては、伸縮継手やループ配管などを用い、蒸気コイル回りは3~4個のエルボを用いて吸収してください。
空調機用蒸気コイル自体の熱膨張は最大10mm位です。

膨張に対する逃げ

2.トラップの設置

蒸気配管中のドレンがコイルの中に流入しないように配管してください。
ドレン排水側配管にはトラップの設置を行なってください。

配管中のトラップ

3.コイルと配管の勾配

蒸気コイルを横向きまたは水平に設置する場合は、ドレン排水方向に1/50以上の勾配をとってください。

4.バキュームブレーカの設置

動制御を行う場合は、コイルの出口側に必ずバキュームプレー力を設けてください。この装置はコイル中にドレンが滞留することを防ぎます。

5.偏心異径継手の使用

ドレンタッピングに管径の異なる排水管を接続する場合は、必ず偏心異径継手を用いてドレンの滞留を防いでください。

6.スチームトラップに関して

  1. コイル出口から少なくとも300mm以上の落差をとり、蒸気トラッブを設けてください。落差によってドレンが排水できます。
  2. 自動制御を行う場台はバケット式トラップは使用しないでください。
  3. トラップの選定に際しては、次のことを留意してください。

蒸気コイルの凝縮能力とトラップの排水能カには、図に示すような傾向があります。低蒸気圧時にはトラップの排水能力は極端に低下します。したがって、自動制御を行う場台には、排水能力が不足しますので、十分な落差を設けてコイル内にドレンが滞留しないよう注意してください。

Sコイルのドレン量とトラップの排水量

7.縦向設置について

蒸気コイルを横向に設置するためには、いろいろな配慮が必要です。しかし、縦向に設置することにより、凍結問題以外ドレンの排水不良による問題は、ほとんど解決されます。とくに比例制御を行う場合は、縦向設置を採用してください。

8.ドレン回収管を高所に設置する場合

1.スチームトラップの後方にポンプを設置すること(図参照)で凝縮水をボイラへ回収することができます。このシステムは貯蔵タンクが大気に開放されているのでオープン回路になります。この場合、フラッシュ蒸気とその保有熱量は大気へ開放されます。

2.メカニカルポンプを使用することで凝縮水を圧送することができます。メカニカルポンプは近辺にある蒸気や圧縮空気を使用するので電気設備等が不要です。

蒸気コイルのドレン水の腐食作用について

一般にボイラープラントでは、ボイラーの効率低下と腐食を防ぐために缶水の処理を行しますが、一般に清缶剤は鉄を対象にしているので、銅管にはあまり良くありません。缶水がpH9を越えると銅管は腐食がはじまります。鋼管の使用をおすすめします。また、ボイラー水の溶存酸素が腐食に影響することは良く知られています。最近は高圧ボイラーの脱酸素剤としてヒドラジンが多く用いられますが、ヒドラジンは分解してアンモニアと窒素になります。このアンモニアが多過ぎると銅管を腐食させることになるのでこ注意ください。

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