デシカント空調機・除湿機

デシカント空調とは

SINKOデシカント空調機・除湿機は、利用用途に応じて、また既存システムとの組み合わせによって、効率の良い環境づくり、快適性と省エネルギー化を柔軟に実現するラインアップを揃えています。
一般空調用には、低温再生型デシカントローターを採用し、冷凍機・コージェネレーションシステムの排熱を有効活用できる「デシコンエア」をご用意しています。
産業空調用にもまた、低温再生型デシカントローターを採用しつつ、高度な除湿性能を発揮する「デシコンドライ」をご用意しています。
もちろんSINKOのノウハウを駆使したコンパクト設計のご提案も可能です。
最新の技術と空調機メーカーの経験を集大成し、新世代の空調を実現します。

湿度コントロールの重要性

現代の住宅・ビルは、建物の高気密・高断熱化による省エネルギー対策は進んでいるものの、外気導入の不足によって室内空気質が悪化するケースが見受けられます。
特に夏期の外気は高温多湿で大きな潜熱負荷となるため、省エネルギーの観点からは、外気(潜熱)負荷をいかに効率的に処理するかが重要になっています。
また環境省が中心となり、冷房温度の適正化とその温度に適した服装を促す「COOL BIZ」が推進されています。
軽装化によって体感温度は低くなりますが、体感は温度だけでなく湿度とも深く関係しており、「COOL BIZ」を実践するには湿度を適切にコントロールすることが大変重要になります。
しかし通常システムでは、湿度が成り行きとなる場合が多く、エネルギー損失を抑えながら湿度をコントロールするには温度と湿度を個別に管理する「潜熱・顕熱分離」が必要不可欠です。

除湿方式

除湿には、乾燥剤を利用するデシカント除湿と、過冷却して湿度を減らす冷却除湿があります。

デシカントの原理

デシカント空調機・除湿機の構造は対象とする空気を除湿する【除湿側】と、水分を吸着(収着)したデシカントローターを再生する【再生側】にて構成されます。デシカントローターの材質は低温でも再生能力の高い“高分子収着剤”や、従来から使用されている“シリカゲル”“ゼオライト”などがあります。

デシカント方式(乾式デシカント)

乾燥剤を含浸させたハニカム形状のローター(デシカントローター)に空気を通して除湿する方式です。
デシカントローターの再生に加熱用熱源が必要になります。直接的に湿度をコントロールするため、冷却除湿方式に見られるエネルギーロスを防ぐことができます。

デシカント方式(乾式デシカント)

冷却除湿方式

冷却コイルで空気を目標露点温度まで冷却、結露させて水分を除去する方式です。
冷やすことで除湿するため、湿度を優先すると過冷却になってしまうことが多く、これを修正するための再熱は大きなエネルギーロスとなります。

冷却除湿方式


乾燥剤と再生温度

乾燥剤には様々なものがあります。一般的にはシリカゲル系、ゼオライト系の乾燥剤が使用されていますが、近年は素材の開発が進み、低温でも効率良く再生できる高分子収着剤を用いたデシカントローターが開発されました。
それぞれの素材に特徴・適切な再生温度があるので、用途に合わせて最適なものを選択することが重要です。

乾燥剤と再生温度

乾燥剤のメカニズム(収着と吸着)

低温再生に適している高分子収着剤は、吸着と吸収を兼ね備えた収着現象(sorption)により除湿を行います。 収着とは親水性高分子鎖へ水分子が結合するとともに、その架橋点を支点として高分子架橋体が膨潤変形しながら、水分子が毛管凝縮のようにトラップすることです。高分子架橋体に収着した水分子は、40℃~80℃の低温で高分子架橋体が収縮しながら水分子を脱着します。

高温再生に適しているシリカゲル剤やゼオライト剤等は、吸着現象(adsorption)により空気中の水分を取り除きます。 ロータ表面の細孔(凹部)に水分子が入り込む事により除湿が行われます。吸着された水分子は、熱を加えることで活発になり、細孔から飛び出し脱着が行われます。

吸着のメカニズム(高分子収着剤)

吸着と脱着の仕組みを表現したイメージ

収着と脱着の仕組みを表現したイメージです。

  • 収着により水蒸気を吸い込み、高分子鎖が膨れ多量の水を保持します。
  • 脱着時、水蒸気が放出され、高分子鎖が収縮します。
  • 柔らかい高分子鎖が膨潤・収縮に追随し、優れた耐久性を実現します。
吸着のメカニズム(シリカゲル、ゼオライト)

吸着と脱着の仕組みを表現したイメージ

収着と脱着の仕組みを表現したイメージです。

  • 細孔表面に水蒸気が吸着し、細孔に水分子が入り込んで除湿します。

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