デシカント除湿機・空調機

デシカント空調とは

湿度コントロールの重要性

現代の住宅・ビルの住環境は、建物の高気密・高断熱化による省エネルギー対策が進んでいるものの、外気導入の不足による室内空気質の悪化を生じるケースが見受けられます。

また、夏期の外気は高温多湿であり大きな潜熱負荷となるため、省エネルギーの観点からは、いかに外気(潜熱)負荷を効率的に処理するかが重要です。さらに、環境省が中心となり、服装の工夫によって〈夏期の冷房設定温度を28℃〉とする『COOL BIZ』が提唱され、その実行が指導されています。軽装化により体感温度は低くなりますが、体感温度は乾球温度だけに左右されるものではなく、湿度と深く関係しています。

つまり、湿度を適切にコントロールすることで『COOL BIZ』が、より快適に実行されます。しかしながら一般空調で温度と湿度を同時に処理するシステムは湿度が成り行きとなる場合が多く、湿度コントロールをメインとしたエネルギー損失の少ない空調システムにするには、温度と湿度を個別に管理することが重要となります。

デシカント除湿機・空調機

一般空調用(デシコンエア、コンパクト型デシカント)と産業用(デシコンドライ)をラインアップしております。

デシカントの原理

除湿には、過冷却して湿度を減らす冷却除湿と、乾燥剤を利用するデシカント除湿があります

デシカント除湿機・空調機の構造は対象とする空気を除湿する【除湿側】と、水分を吸着(収着)したデシカントロータを再生する【再生側】にて構成されます。 デシカントロータの材質は低温でも再生能力の高い“高分子収着剤”や、従来から使用されている“シリカゲル”“ゼオライト”などがあります。

デシカント方式(乾式デシカント)

【除湿側】

  1. 除湿したい空気をデシカントロータに通過させる。
  2. 空気中の水分がデシカントロータに吸着(収着)する。
  3. デシカントロータを通った空気は相対湿度の低い空気が出来る。
  4. デシカントロータ通過後の空気は温度が高いので必要に応じて冷却または顕熱交換器に通し温調する。

【再生側】

  1. 室内または外気を用いてデシカントロータを再生させる。
  2. デシカントロータに含まれている水分を取り除くために、再生用の空気の温度を上げて(相対湿度を下げる)デシカントロータに送る。
  3. 高温で相対湿度の低い空気は、デシカントロータから水分を奪い取り排気される。
  4. 乾燥されたデシカントロータは回転して再び除湿側に戻り水分を吸着(収着)する。
デシカント方式(乾式デシカント)
デシカント方式(乾式デシカント)
冷却除湿方式

冷却コイルにより空気を目標露点温度になるまで冷却し、結露凝縮した水分を除去する方式です。空調一般に最も多く用いられる方式ですが、過冷却は冷え症の人にとっては冷房地獄となります。過冷却を修正するための再熱は大きなエネルギーロスとなります。

冷却除湿方式

乾燥剤と再生温度

乾燥剤にはさまざまなものが開発されています。一般的には高温で再生するシリカゲル系の吸着剤が使用されていますが、近年、素材の開発が進み、さまざまな乾燥剤による低温再生を実現したデシカントロータが開発されました。それぞれの素材には特徴があり、また最適な再生温度を持っています。用途に合わせて選択することが重要です。

乾燥剤と再生温度

収着と吸着

高温再生に適しているシリカゲル剤やゼオライト剤等は、吸着現象(adsorption)により空気中の水分を取り除きます。 ロータ表面の細孔(凹部)に水分子が入り込む事により除湿が行われます。吸着された水分子は、熱を加えることで活発になり、細孔から飛び出し脱着が行われます。

低温再生に適している高分子収着剤は、吸着と吸収を兼ね備えた収着現象(sorption)により除湿を行います。 収着とは親水性高分子鎖へ水分子が結合するとともに、その架橋点を支点として高分子架橋体が膨潤変形しながら、水分子が毛管凝縮のようにトラップすることです。高分子架橋体に収着した水分子は、40℃~80℃の低温で高分子架橋体が収縮しながら水分子を脱着します。

吸着のメカニズム
吸着と脱着の仕組みを表現したイメージ

吸着と脱着の仕組みを表現したイメージです。
細孔表面に水蒸気が吸着し、細孔に水分子が入り込んで除湿します

吸着と脱着の仕組みを表現したイメージ

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