IR情報-機関投資家向け説明会-
機関投資家向け説明会 開催概要
当社は、2021年7月27日に機関投資家向けに中期経営計画説明会を開催いたしました。
日時:2021年7月27日(火) 15:00~16:00
会場:大手町LEVEL XXI 東京會舘(ウェビナーを活用したハイブリット形式)
対象:国内外 機関投資家
説明会の内容については、下記をご参照ください。
なお今後の開催につきましては未定となっております。別途お問い合わせください。
お問い合わせ先 新晃工業株式会社 経営企画室 03-5640-4169
会社説明 資料・スクリプト
会社説明 資料 新晃工業㈱・中期経営計画説明会_20210727 [PDF:3.8MB]
以下では、Ⅱ. 当社の特長、Ⅲ. 中期経営計画について、スクリプトを掲載しております。
Ⅱ. 当社の特長
1. 主な事業領域 [P11]
- 「セントラル空調」と「個別空調」の違いを説明します。
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- (セントラル空調)
- 建物全体を一体のシステムと捉え、熱源機器を集中設置してまとめて熱を作り、空調機器にその熱を供給して空調します。
- 熱媒体として「水」を循環させます。
- 大規模の建物に採用されます。
- 建物毎に求められる要件が異なるため、AHUも一品一様で設計・製造され、最適なシステムが構築されます。
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- (個別空調)
- 各部屋・エリアに室外機・室内機をセットで設置し、個々で熱を作って空調します。
- 熱媒体として「フロンガス」を循環させます。
- 中小規模の建物に採用されます。
- 汎用の空調機器でシステムが構築されます。
- 空調方式は、建物の規模や運用によって最適なものが選択されますが、当社の創業以来のメイン事業は、セントラル空調領域です。
- 近年は、中小規模の建物で採用される個別空調領域へ、積極的に拡張しております。
2. セントラル空調の仕組みとメリット [P12]
- セントラル空調は、熱を作る一次側と、熱を使う二次側に分かれます。
- (仕組み)
- 熱を作る一次側
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- ① 集中設置されたチラー、ボイラなどの熱源機器で冷熱/温熱を生成し、
- ② 冷熱/温熱は、水を媒体にポンプで搬送され、空調に使用されます。
- ③ 冷熱を作る際に発生する排熱は、冷却塔から外気に放出されます。
- ④ 建物によっては蓄熱槽が設置され、ここに熱を蓄え、熱を生産する時間と消費する時間をずらすこともあります。
- 熱を使う二次側
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- ⑤ 配管を通って運ばれてきた冷水/温水はAHU、FCU内に供給され、
- ⑥ AHU、FCUはファンで風を発生させて室内の温度・湿度を調整します。
- (メリット)
- セントラル空調の最大のメリットは、温度・湿度・清浄度などの精緻な管理を通して、上質な空気質を作れることです。
- また熱の搬送にフロンガスを使わず、水を使用するため、環境にこの上なくやさしいという大きなメリットがあります。
3. セントラル空調(国内)の事業構造 [P13]
- 大規模建物の工事では「施主」、建物の設計をする「設計事務所」、建築工事として全体を束ねる「ゼネコン」、各種の設備工事を請ける「サブコン」が存在します。
- セントラル空調を構成する熱源、空調、計装システムの各メーカーは、空調設備(機械設備)工事を担当するサブコンに製品を納入します。
- 当社は主にサブコンから発注を受け、空調機器を製造し、建築現場に納入します。
4. AHUで国内トップシェア [P14]
- 当社はAHUのトップメシェアを長年維持しています。
- トップシェアを支える強みは「顧客に対する強み」と「運営上の強み」という2つの側面が挙げられます。
- (顧客に対する強み)
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- 「オーダーメイドの要求」に応える製品の開発力・設計力
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- AHUは、同じ建物でも1台毎に要求される仕様・能力・サイズが異なり、全数について顧客と打合せし、要望に合わせて設計・製造する必要があります。
- 当社は顧客の要望に応えきる製品の開発・設計について、圧倒的なノウハウを持っています。
- 生産能力
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- 一品一様で設計されるAHUは完全なる受注生産になり、部材手配からライン組み換えまで、生産現場が柔軟に対応する必要があります。
- 計画生産ができず、出荷のバラつきが大きくなります。生産量を安定させられないことが、大手メーカーが撤退し、新規参入がない最大の要因です。
- 当社はこれまで納入してきた多くのストックからの更新案件および小口案件を取り込むことで生産量を安定させ、工場をフル稼働させています。
- 当社の更新案件比率は約50%と大変高くなっていますが、ここが大手メーカーでも真似できない競争力になっています。
- 品質トップ、アフターサービス対応
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- 長年の積み重ねの成果でもある品質は業界No.1と自負しています。
- トラブル発生時には、営業から技術、製造、メンテナンスまで一体となって迅速に動くことができる体制を敷いています。
- この対応力と品質が他社との違いを生み、顧客の信頼を築き上げてきました。
- (事業運営上の強み)
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- 案件情報量
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- 長年にわたり多くの受注を取り扱ってきた実績に基づく圧倒的な案件情報量で需要予測を行っています。
- 業務システム
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- どれだけ更新案件および小口案件を取り込む必要があるかを判断し、各工程をコントロールします。
- 現場調整・生産物流計画
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- 経験と確立された管理手法を駆使し、納品されるまで細やかに現場を調整しています。
Ⅲ. 中期経営計画「move.2025」
事業環境 [P.22]
- (国内市場)
- 国内市場は、昨年~今年度はオリンピック需要の反動や新型コロナウイルス感染症による工事延期などの影響で減少しています。
- 今後、2023年頃には大型再開発を含む新築物件の回復が見込まれ、2025年度頃には納入後20~30年が経過したAHUの更新需要を中心にストックビジネスへの移行が予想されます。
- (アジア市場)
- アジアの最大市場である中国は、ハイテク分野の投資が加速、製造業を中心に内需の拡大が見込まれます。
「move.2025」の全体像 [P.23]
- 中期経営計画「move.2025」では、空調事業の抜本的な変革をテーマに据え、次世代型個別受注生産方式への進化を目指します。
- ① SIMA(※)を軸にした新しい製販体制、②重点取組項目、③ESG経営の推進/SDGsへの貢献を柱にします。
- ① SIMAを軸にした新しい製販体制
- ② 重点取組項目
(1) 水AHU強化
(2) ヒートポンプAHU強化
(3) 工事事業強化
(4) 中国事業強化
(5) 技術深耕・品質向上
- ③ ESG経営の推進 / SDGsへの貢献
(1) Environment 〜 省エネルギー・環境技術対策
(2) Social 〜 空調メーカーとしての環境構築
(3) Governance 〜 コーポレート・ガバナンス
(※)SIMAは、SINKO Innovative Manufacturing of AHUのカシラ文字をとったもの。革新的な空調機生産方式を表す。
「move.2025」の業績目標 [P.24]
- この4か年の計画で、業務のデジタル化によって労働集約的な生産体制から脱却し、中長期的な土台を構築、2025年3月期に連結売上520億円、連結営業利益75億円を目指します。
①SIMAを軸にした新しい製販体制 [P.26]
- ①SIMAを軸にした新しい製販体制
- 建物に合わせて一品一様で設計・製造されるAHUは、歴史的に営業、設計、製造、品質管理の各部門間のやり取りにおいて阿吽の呼吸、いわゆる“擦り合わせ”がありました。
- これは当社の強みでもありますが、労働人口の減少に伴う外国人労働者の増加によって、言語の面でも価値観の面でも阿吽の呼吸に頼ったモノづくりは限界を迎えます。
- そこで、一品一様に関わるモノ・作業のデータをデジタル化し、データベースBOMを中心に、上流の営業情報を設計、積算、製造、アフターサービス、次の営業活動にまで活用するというのがSIMAの概念です。
- 製造の効率化は、営業情報に基づく高精度の需要予測の実現によって、営業の優位性は、デジタルプラットフォームに基づくAR技術などを活用した新しい営業手法の確立によって達成されます。
デジタル工場化「ライン生産方式」の導入 [P.27]
- デジタル工場化「ライン生産方式」の導入
- SIMAプロジェクトによる成果は、ライン生産方式の導入、AIによる工数予測など段階的にリリースしていきます。
- 生産側を中心とした第1フェーズを2023年9月までに完了し、その後に第2フェーズの営業スタイルの革新に取り組みます。
②重点取組項目 [P.29]
- 「move.2025」では、SIMAを基盤として、次の5点の重点項目を進めます。
- ② 重点取組項目
(1) 水AHU強化
(2) ヒートポンプAHU強化
(3) 工事事業強化
(4) 中国事業強化
(5) 技術深耕・品質向上
(1)水AHU強化 [P.30]
- ②(1)水AHU強化
- 水AHUの有望分野は、5Gの普及や国家間のデータセキュリティの観点から投資が続くデータセンター分野です。特にサーバーの高性能化に伴う発熱量の増加から、水AHUのニーズが期待されます。
- 特にテナントを募る形態のデータセンターでは、テナントが決まってから短期で空調設備を実装する必要があり、メーカーにも短納期が要求されます。
- SIMAプロジェクトで得られる成果物を最大限に活用して、この成長市場に力を入れていきます。
(2)HP-AHU強化 [P.31]
- ②(2)HP-AHU強化
- ヒートポンプAHUは、主に中小規模の建物の領域(従来の隣りの市場)で使用されます
- 中小規模の建物では、感染症の拡大によって換気の重要性が再認識され、換気を行う「外調機」に対する需要が高まっています。
- 従来市場における強みを存分に活かし、ダイキン社との共同開発で製品ラインアップを拡充させ、市場シェアの拡大を目指します。
(3)工事事業強化 [P.32]
- ②(3)工事事業強化
- 工事事業は、AHUの施工、保守・整備を中心とした独自性を武器に収益の改善が進んでいます
- この独自性をコアに技術の幅を広げるとともに、メーカー系の強みを活かして保守サービス体制を充実させ、空調工事業への拡張を目指します。
(4)中国事業強化 [P.33]
- ②(4)中国事業強化
- 中国市場においては、汎用品の安値受注競争に巻き込まれ、苦戦してきました。
- そこで、建物の計画段階から高機能型AHUを提案することで価格競争を回避、採算性重視の販売戦略に切り替えることで収益の改善を進めてきました。
- 製造業や社会インフラ、医療施設、教育施設など市場は十分に伸びる余地があり、採算性重視の販売戦略と原価管理を徹底する体制構築を進めます。
(5)技術深耕・品質向上 [P.34]
- ②(5)技術深耕・品質向上
- コア技術であるファン、コイルの高効率・コンパクト化の研究開発を継続し、環境負荷低減・CO2削減・省エネルギー化のニーズに応えていきます。
- また解析、AI、IoTなどデジタル技術を積極的に活用し、研究開発や品質管理の質を高めます。
③ESG経営の推進 / SDGsへの貢献 [P.36]
- ③ESG経営の推進 / SDGsへの貢献
- 「move.2025」では、ESG経営の推進/SDGsへの貢献に積極的に取り組みます。
(1)Environment ~ 省エネルギー・環境技術対策 [P.37]
- ③(1)Environment ~ 省エネルギー・環境技術対策
- 「E」について、現場の省力化や省エネルギーを可能にする製品開発を進めるほか、メーカーの社会的責任として、塗装や溶接の削減など生産工程での環境負荷低減に取り組んでいきます。
(2)Social ~ 空調メーカーとしての環境構築① [P.38]
- ③(2)Social ~ 空調メーカーとしての環境構築①
- 「S」については、空調メーカーとして、あらゆる人が安心して生活できる空間を提供することを使命と捉え、抗菌・抗ウイルスや熱中症対策などの環境構築による社会貢献を目指します。
(2)Social ~ 空調メーカーとしての環境構築② [P.39]
- ③(2)Social ~ 空調メーカーとしての環境構築②
- 一例として、紫外線によるウイルス・細菌対策を可能にする健康空調、大空間向けの除菌システムの開発に取り組み、多くの人が集まる空間に安心・安全の空気環境を提供します。
- その他、災害時にトラックで避難所に駆け付け、空調を支援するSINKO Rescueを計画します。
(3) Governance ~コーポレート・ガバナンス [P.40]
- ③(3) Governance ~コーポレート・ガバナンス
- 「G」について、取締役13名中、独立社外取締役を5名設置するなど、経営の透明性を確保するために必要な体制整備を推進しています。
- 適正な情報開示を手継続して行うとともに、全社員へのコンプライアンス教育、情報セキュリティのリスク管理などに力を入れていきます。