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送風機の釣合い良さ
不釣合いをもつロータ（空調機の場合はファンランナー）は、軸受や基礎に交番的な力をおよぼすだけでなく、機械振動の原因となります。回転機器の釣合い良さを的確に定めるには、その使用状況に応じて振動・騒音などについての実験を現場または実験室において行い、その釣合い良さを決定するか、軸受けに作用する不釣合い力が軸受けの許容限に至らないように計算によって算出して釣合良さを決定しなければなりません。
各種回転機械の釣合い良さの推奨値
下表に形式・大きさおよび回転速度を異にする代表的な回転機器（剛性ロータ）について、従来の経験から得られた推奨される釣合い良さの等級を示します。
| 釣合い良さの 等級 |
釣合い良さの 上限値mm/s（eper×ω） （1）・（2） |
ローターの種類一例 |
|---|---|---|
| G4000 | 4000 | ●剛支持されたシリンダ数奇数の舶用低速ディーゼル機関（3）のクランク軸系（4） |
| G1600 | 1600 | ●剛支持された大形2サイクル機関のクランク軸系（4） |
| G630 | 630 |
●剛支持された大形4サイクル機関のクランク軸系（4） ●弾性支持された舶用ディーゼル機関（3）のクランク 軸系（4） |
| G250 | 250 | ●剛支持された高速4シリンダディーゼル機関（3）のクランク軸系（4） |
| G100 | 100 | ●6シリンダ以上の高速ディーゼル機関（3）のクランク軸系自動車、トラック及び鉄道車輌用機関（ガソリン又はディーゼル）の完成品（5） |
| G40 | 40 |
●自動車用車輪、リム、ホイールセット及び駆動軸 ●弾性支持された6シリンダ以上の高速4サイクル機関（3） （ガソリン又はディーゼル）のクランク軸系（4） ●自動車、トラック及び鉄道車輌用機関のクランク軸系（4） |
| G16 | 16 |
●特別の要求がある駆動軸（プロペラ軸、カルダン軸） ●圧砕機の部品●農業機械の部品 ●自動車、トラック及び鉄道車輌用（ガソリン、ディーゼル）機関の部品 ●特別な要求がある6シリンダ以上のクランク軸系（4） |
| G6.3 | 6.3 |
●プロセスプラント用機器●舶用主機タービン歯車（商船用） ●遠心分離器ドラム●製紙ロール、印刷ロール●ファン ●組立て後の航空機ガスタービンローター●はずみ車●ポンプ羽根車 ●工作機械及び一般機械の部品●特別の要求がない中形及び大形（少なくとも80mm以上の軸中心高さをもつ電動機の）電機子●振動に敏感でない使われ方や、振動絶縁を施してある（主として量産形の）小形電機子 ●特別な要求がある機関の部品 |
| G2.5 | 2.5 |
●ガスタービン、蒸気タービン及び舶用主機タービン（商船用） ●剛性ターボ発電機ローター●計算機用記憶ドラム及びディスク ●ターボ圧縮機●工作機械主軸●特別の要求がある中形及び大形電機子 ●小形電機子（G6.3及びG1の条件のものを除く） ●タービン駆動ポンプ小形電機子 ●特別な要求がある機関の部品 |
| G1 | 1 |
●テープレコーダ及び音響機器の回転部●研削盤のといし軸 ●特別の要求がある小形電機子 |
| G0.4 | 0.4 | ●精密研削盤のといし軸、といし車及び電機子●ジャイロスコープ |
- ＜表の注釈＞
- （1）：ω=2πn/60=n/9.55。ここで、nはmin-1、ωはrad/s。
- （2）：許容残留不釣合いの各修正面への配分については、JIS本文を参照ください。
- （3）：この規格では、ピストンの速度が9m/s以下のものを低速、これを越えるものを高速ディーゼル機関としています。
- （4）：クランク軸系とは、クランク軸、はずみ車、クラッチ、プーリ、ダンパ、連接棒の回転部などを含む全体です。
- （5）：機関の完成品では、そのローターの質量は、（4）のクランク軸系に属するすべての質量の合計を指します。
- 軸受振動の許容値
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- 釣合い良さ
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釣合い良さの等級
釣合い良さの等級およびそれらに対応する釣合い良さの上限値
| 釣合い良さの等級 | G0.4 | G1 | G2.5 | G6.3 | G16 | G40 | G100 | G250 | G630 | G1600 | G2400 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 釣合い良さの上限値 | 0.4 | 1 | 2.5 | 6.3 | 16 | 40 | 100 | 250 | 630 | 1600 | 2400 |
- ・送風機の釣合い良さの等級はG6.3を設計基準としています。（JIS B0905-1992）
- ・空調機組込の軸受振動は振動速度6mm/s以下を設計基準としています。（JIS B8330-2000）
- ・空調機の基礎振動は振動振幅15μm（コンパクト型は10μm）以下を設計基準としています。