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COOL BIZ 空調システム
各種テクノロジーの的確な組み合わせにより、COOL BIZへの対応を支援する空調システムとして COOL BIZ 対応空調機シリーズを提案します。
利用施設
- オフィス
- 店舗・
商業施設 - 学校
- 庁舎
COOL BIZ 空調システムとは
夏期に冷房の設定温度を28℃にすることでCO₂排出量の削減を目指す、COOL BIZ。
28℃設定の省エネと快適のためのコストとのバランスは、これからの空調システムを考えるうえで重要な問題です。新晃工業は、各種テクノロジーの的確な組み合わせにより、COOL BIZへの対応を支援する空調システムとして COOL BIZ 対応空調機シリーズを提案します。
従来の空調方式による COOL BIZ対応
標準型空調機(再熱なし)
28℃設定により省エネルギー効果は高くなりますが、不快な温熱環境となります。

- ・顕熱処理量と潜熱処理量の比率は冷却コイル特性によるため、部分負荷時に湿度が上昇して不快な温熱環境となります。
- ・部分負荷時に潜熱処理量を満足するためには冷水量を増やす必要があり、結果 室内は「冷え過ぎ」となり、室内環境は悪化します。
標準型空調機(再熱あり)
28℃設定でも低湿度の快適な温熱環境が得られますがエネルギー消費量が大きく、COOL BIZの目的から逸脱します。

- ・再熱コイルによって、顕熱処理量と潜熱処理量の比率を変えられるため、快適な温熱環境が得られます。
- ・冷房期間にも温熱源が必要となり、エネルギー消費量が大きくなります。
COOL BIZ 空調機の背景
COOL BIZと温度・湿度の関係
2005年、環境省が中心となり、冷房設定温度の適正化(26℃→28℃設定)とその温度に適した服装を促す「COOL BIZ」が提唱され、その実行が指導されています。地球温暖化対策においては、1997年の京都議定書では先進国が、2015年のパリ協定では発展途上国を含む全ての国が温室効果ガスの削減に取り組むこととなりましたが、日本の具体的な対策の1つであるCOOL BIZについては、2030年度に実施率100%が目標とされています。COOL BIZによる軽装化で体感温度は低くなりますが、体感は温度だけでなく湿度とも深く関係しており、COOL BIZを実践するには湿度を適切にコントロールすることが大変重要になります。
図-1 ミスナール体感温度

空調機の部分負荷運転
事務所空調の送風量や熱交換器の設計にあたっては、最大負荷を想定した計算がなされます。したがって、設計通りの最大負荷時は快適な温熱環境をつくることができますが、部分負荷時の温熱環境は必ずしも最適にならないのが一般的です。
一般的な空調機は、冷却コイルへの通水量を加減することによって負荷変動に対応します。しかしながら、潜熱と顕熱を同時に処理する冷却コイルは、通水量によってその処理比率が変わるため(図-2)通水量の変化だけで潜熱処理量と顕熱処理量を任意に個別コントロールすることはできません。
潜熱負荷を処理できるだけの冷水を通水すると、処理し過ぎた顕熱量を取り戻すために、再熱処理が必要になります。逆に、顕熱負荷だけを処理する通水量では除湿能力が大幅に減少し、潜熱負荷が処理できないため、結果的には部分負荷時における居室の湿度が上昇して不快な温熱環境となります。
COOL BIZを踏まえた今後の空調設備機器とは、空調機における部分負荷運転の最適化と言い換えることができます。
図-2 通水量制御時の処理熱量

レヒート方式
Coil to Coil レヒート型空調機
外気からの顕熱回収により、除湿後の再熱に温熱源不要で省エネ性を向上。
特長

- 再熱源として、外気を利用するため、温熱源を必要としません。
- 外気をプレクール(PC)する予冷コイルとレヒート(RH)する再熱コイルの間で熱媒を循環します。
制御例
- ・還気温度または室内温度により、循環ポンプ(P₁)を起動して再熱します。
- ・還気湿度または室内湿度が設定値になるように、冷却コイルへの通水量を制御弁(MV₁)で調整します。
- 空気線図上の動き
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- 空気線図上の動き
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デュアルコイル方式
デュアルコイル型空調機
顕熱負荷と潜熱負荷を別々に処理して、部分負荷時の快適性を向上。
特長

- 顕熱負荷と潜熱負荷を2台のコイルでそれぞれ処理します。
制御例
- ・還気温度または室内温度が設定値になるように、顕熱処理用コイル通水量を制御弁(MV₁)で調整します。
- ・還気湿度または室内湿度が設定値になるように、潜熱処理用コイル通水量を制御弁(MV₂)で調整します。
- 空気線図上の動き
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- 空気線図上の動き
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バイパス方式
コイルバイパス型空調機
コイルで除湿した空気とバイパス空気の混合により、省エネ性とともに快適性を向上します。
特長
- コイルで充分に除湿した空気とバイパス空気を混合することで、給気温湿度を制御する方式です。
- 機内にダンパを設置することで対応可能のため、空調機サイズは他方式と比べ小さくなります。
- 除湿後の空気とRAを混合する構成にすると、より低湿度に制御できます。[バイパス方式(2)]
バイパス方式(1)

バイパス方式(2)

制御例
- ・還気湿度または室内湿度が設定値になるように、冷却コイル通水量を制御弁(MV₁)で調整します。
- ・還気温度または室内温度が設定値になるように、バイパス量をダンパで調整します。
- 空気線図上の動き
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- 空気線図上の動き
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FPU方式
誘引ユニット方式と同様の効果が得られ、フィルタにより浄化された室内吹出が可能。
特長

- 誘引ユニット方式と同様の効果が得られ、FPU方式の場合には、フィルタにより浄化された室内吹出となります。
制御例
- ・給気温度が設定値になるように冷却コイルへの通水量を制御弁(MV₁)で調整します。
- ・室内温度が設定値になるようにVAV開度を制御して、風量を可変します。